2009年06月25日

アンチヒーローの魅力☆

『勝手にしやがれ』('60・仏)


この作品で、これまでのフランス映画のイメージは完全に払拭されたと思います。

原案、フランソワ・トリュフォー。監督、ジャン・リュック・ゴダール。
手持ちカメラでの撮影、即興の演出、ドライな描写が新鮮で、その後のアメリカン・ニューシネマにも多大な影響を与えたヌーヴェルヴァーグの記念碑的傑作。

主人公ミシェル(ジャン・ポール・ベルモンド)の刹那的な生き様、アンチヒーロー像は、男性にとってかなり魅力的に映るのではないでしょうか?

6月25日、パリのシャンゼリゼ通りでNYヘラルドトリビューン誌を売るアメリカ人留学生パトリシア(ジーン・セバーグ)は、ミシェルと会う。
彼は車の常習窃盗犯で、マルセイユから警官の追跡を振り切って逃げてきていた。
二人は一晩過ごした後、ミシェルは彼女をイタリア旅行に誘うが、翌日、彼女は警察に密告してしまう。

ラスト、警察の発砲に倒れ、『最低だ』とつぶやいてタバコをふかし、自身の手で瞼を閉じて死んでいくミシェルは、この上なくカッコいい!!
そして、『“最低”って、何の事?』とつぶやくパトリシア。彼女は彼を愛しているのになぜ密告したのか?愛しているからこそ?それとも彼の愛を確かめたかったのか・・・?

原題の『A Bout De Souffle』(日本語で『くたばっちまえ!』的な意味)という言葉に、こんな素敵な邦題をつけたのもスゴい!


この映画で、若きベルモンドの男臭さ、そしてゴダールの世界を満喫してはいかがでしょうか?



自由で束縛のない愛を愉しむ二人だが・・・。

  


Posted by つきピン at 23:27映画

2009年06月24日

レディの登竜門♪

『舞踏会の手帖』('37・仏)


6月・・・上流階級の若き乙女たちが社交界へのデビューを飾る時期。


この映画の主人公(マリー・ベル)も、白いロングドレスに身を包み、16歳で舞踏会に出席する。

あの華やかな一夜から20年後―。

36歳の若さで未亡人となった彼女は、昔の手帖を頼りにかつての踊り相手の男性たちを訪ねてゆく。
当時、彼女にフラれた男性たちは、ルックスも職業も性格もみなバラバラ。
共通しているのは、未来を嘱望されたはずの彼らが、今では堕落した人生を送っているという事実。
弁護士だった男性はギャングに転身し、作家志望の男性は山岳ガイドに。政治家を目指した男性は、町長におさまり野心を棄てた・・・。この他に、もぐりの堕胎医や宗教家、美容師などが彼女に再会し、昔を懐かしむ姿が切なく映る。

監督は、ジュリアン・デュヴィヴィエ。彼の作品にしては珍しくロマンティシズム溢れるオムニバス映画です。
役者も、ルイ・ジューヴェやフランソワーズ・ロゼエ、ピエール・ブランシャールと大御所揃い。
テーマ曲『灰色のワルツ』は、譜面を逆から演奏していき、さらにそれを逆再生したものが使われているそうです。


デビュタントに憧れる女性はもちろんですが・・・『昔はよかった~』と思わず口に出してしまうようになった方にこそオススメしたい、哀愁漂う一本です。

  


Posted by つきピン at 20:44映画

2009年06月21日

サラリーマンの“虎の巻”!?

『努力しないで出世する方法』('64・米)


大ヒット舞台劇の映画化で、いかにもM・G・Mらしい、明るく快活なミュージカル。


高層ビルの窓拭き清掃員、フィンチは、通りのブックスタンドで『努力しないで出世する方法』という本を手に取る。そこには、失敗しない会社選びから実力なしにトップへ昇りつめる方法が網羅されていた。
早速、彼は本に則って実行開始!
しかし、次第に大事なものを見失い、出世の鬼と化した彼の行く先には、本には書かれていない数々の難関が待ち受けていた・・・。

簡単に先が読めてしまう展開はちょっぴり残念ですが、ストーリーを導くための歌や踊り(オフィスの小道具片手にサラリーマンやOLたちが踊る姿が楽しい)や、女性の60年代ファッション(ブルーやイエロー、オレンジ等の鮮やかなオフィスファッションや、カラーonカラーな着こなしがとてもカワイイ)は、観ていて飽きさせません。


文字通り、“努力しないで出世したい方”、オススメです(笑)。

  


Posted by つきピン at 19:16映画

2009年06月14日

パキスタンカレー♪

昨日・今日の2日間、天王町シルクロード商店街で、縁日がありました。
かなりの大規模で、出店も数え切れないぐらいあり、大盛況。

中にはこんな珍しい屋台もありました→

パキスタンカレー、『Zaika』。
(お店は、東京都大田区にあるそうです)

パキスタンカレー、一度食べてみたかったので、即買い!
野菜かチキンかで迷っていたら、お店の方に『試食してみますか?』と言われ、カレー2種類にナンまでいただいちゃいました。
とっても親切face12

でも結局、どちらも美味しくて再び迷ってしまう私icon10
さんざん悩んだ末、今回はチキンをチョイス。


こちらがそのカレーです→

パキスタンのナンは、インドのものと違い、真ん丸な形。溶かしバターは塗っていないので、ナン本来の味が楽しめます。

カレーは、スープのようにさらっとしているのにコクもあって、辛さはかなり抑えてあります。その味は、ゴクゴク飲んでしまいたくなるほどの美味しさ。お肉は骨付きチキンを『これでもか!』ってぐらい柔らかく煮込んであって、骨まで食べられます。

まさか日本の伝統行事である縁日で、こんな美味しい国際交流ができるとは!お腹も心も大満足な一日でしたface02  


Posted by つきピン at 23:09日常

2009年06月02日

ジューン・ブライドの季節です

 『ジャスト・マリッジ』('03・米)


6月といえば、“ジューン・ブライド”。

その昔、“成田離婚”なんて言葉がありましたが、この映画はそんなテーマを含んでいて、それでいて楽しい。

作品のキャッチコピーが、『Q.問題です。この二人の笑顔は、あと何秒続くでしょう?』なんてパッケージに書かれているぐらいだから、これから一体何が起こるのやら!?観る前から期待が高まります。

上流階級の超お嬢様のサラと、ラジオのリポーターとして働く庶民派のトムは、熱烈な大恋愛の末、周囲の猛反対を押し切って結婚。
ところが、ハネムーン先で数々のトラブルに見舞われ、二人の仲は一気に険悪ムードに。
飛行機の搭乗時からすでに波乱含み。滞在先のヨーロッパでも不運は続き、さらに二人の仲を壊そうと、新婦の家族が最強の刺客まで送り込んでくる始末。


何と言っても、主演の二人のお笑い合戦が一番の見所。
新郎役のアシュトン・カッチャー(実生活ではデミ・ムーアの旦那さんです)もいいけど、やはりここは新婦役のブリタニー・マーフィに軍配を上げたい。
前出の『クルーレス』の頃に比べ、美しく磨かれたルックスもさることながら、彼女のコメディエンヌぶりはハリウッド随一です。


婚カツの参考になるかはさておき・・・こんな笑えるウェディングムービーで、日本の6月のジメジメした空気を吹き飛ばしてみてはいかがでしょうか?






こちらは、日本版ポスター。
  


Posted by つきピン at 22:23映画

2009年06月01日

ガールズムービーの火付け役

『メリーに首ったけ』や『キューティー・ブロンド』等、今でこそオシャレなガールズムービーは量産されているけれど、それはこの映画がブームの火付け役だったんじゃないかと思います。


『クルーレス』('95・米)
※『クルーレス』とは、“無知”とか“ダサい事”の意。


ビバリーヒルズに住むお嬢様、シェール(アリシア・シルヴァーストーン)は、弁護士のパパとリッチな豪邸に二人暮らし。
オシャレでキュートでハイスクールの人気者である彼女は、親友のディオンヌ(ステイシー・ダッシュ)と買い物をしたり食べ放題に行ったり、エステでリラックスしたりする毎日を送っている。

毎朝起きると、まず最初にするのが洋服選び。それも自分のワードローブをすべてパソコンに取り込んであって、自分の写真に着せ替えてチェックするという徹底ぶり(コーディネートがイマイチだと『ミスマッチ!』なんて警告までしてくれる。こんなソフト、私も欲しい!)。

しかし、そんな生産性のない暮らしに飽き飽きしていた彼女は、クラスにドラッグ漬けのイケてない転校生(ブリタニー・マーフィ)がやってきたのを機に、『人を幸せにする事』に生き甲斐を見出してゆく。転校生をオシャレに変身させた後は、老いぼれの担任教師と奥手な女性教師をくっつけて、おまけに自分の成績まで上げてしまうというやり手ぶり。

もちろん、恋愛あり、パーティーあり、イイ女でいるための秘訣や男の子にモテる必勝テクまで教えてくれます。


90年代半ばの作品なので、ファッション面での古さは否めないけど、内容は今も全然色褪せてない。

平凡な日常にウンザリしているけど、自分探しの旅に出る程の余裕がない方に、オススメの1本。
今いる場所で、本当の自分を見つける方法が、ここにあります。

  


Posted by つきピン at 21:49映画